外字を作る
漫画用フォントであれば、斜めの「!」であったり、「!!!」などのグリフが必要になってくる場合もあると思います。
なお、感嘆符や疑問符に関しては、以下のように定義されているので、フォント内にグリフが存在すれば、作る必要はありません。
※ CID 12??? は Adobe-Japan1-4、CID 16??? は Adobe-Japan1-5 で定義されています。
CID フォントの場合、Adobe-Japan1-6 以降であれば、CID 20473〜20522、20553〜20586 がそれに相当する範囲になります。
この範囲は、各フォントによって、セットされているグリフが異なります。
何もセットされていない場合もありますし、何かの文字がセットされている場合もあります。
これらの文字をテキスト入力する際は、文字パレットなどから選択するか、Unicode 値で入力できる場合は直接値で指定するといった方法があります。
日本語入力に単語を登録する機能がある場合は、あらかじめ単語として登録しておくと使いやすいでしょう。
例えば、全角の記号「#$」など。
どの文字に何が割り当てられているかを憶えておけば、入力も楽になります。
なお、感嘆符や疑問符に関しては、以下のように定義されているので、フォント内にグリフが存在すれば、作る必要はありません。
文字 | Unicode | CID (Adobe-Japan1) |
---|---|---|
‼ (!!) | U+203C | 12111 |
⁉ (!?) | U+2049 | 12112 |
⁇ (??) | U+2047 | 16278 |
⁈ (?!) | U+2048 | 16279 |
! (斜め) | - | 12113 |
!! (斜め) | - | 12114 |
!? (斜め) | - | 12115 |
※ CID 12??? は Adobe-Japan1-4、CID 16??? は Adobe-Japan1-5 で定義されています。
私用領域
フォントに含まれていないグリフ、または Unicode に登録されていないようなグリフを作りたい場合、Unicode には、外字など形状が特定されていない文字を登録するための「私用領域 (U+E000〜U+F8FF)」という範囲があるので、基本的に外字などはこの Unicode 範囲に登録することになります。CID フォントの場合、Adobe-Japan1-6 以降であれば、CID 20473〜20522、20553〜20586 がそれに相当する範囲になります。
この範囲は、各フォントによって、セットされているグリフが異なります。
何もセットされていない場合もありますし、何かの文字がセットされている場合もあります。
これらの文字をテキスト入力する際は、文字パレットなどから選択するか、Unicode 値で入力できる場合は直接値で指定するといった方法があります。
日本語入力に単語を登録する機能がある場合は、あらかじめ単語として登録しておくと使いやすいでしょう。
既存の文字と置き換える
自分用のフォントとして作る場合、外字を頻繁に使うのであれば、使っていない Unicode 文字のグリフを、外字のグリフに置き換えることも可能です。例えば、全角の記号「#$」など。
どの文字に何が割り当てられているかを憶えておけば、入力も楽になります。
3連の感嘆符を作ってみる
ここでは、一例として、3つ並んだ感嘆符 (!!!) を外字として作ってみます。
まずは、元となる感嘆符 (半角もしくは全角の「!」) のグリフのパスをコピーします。
次に、グリフ一覧から、"U+E000" を検索して、移動します。
すでにグリフが存在する場合は、他のグリフにするか、元のグリフを削除してください。
登録するグリフをダブルクリックして、アウトラインウィンドウを開きます。
そして、「貼り付け」で、感嘆符のパスを貼り付けます。
半角の感嘆符を貼り付けた場合は、横書きの送り幅が半角幅にセットされる場合があるため、先に、送り幅を全角幅にします。
「メトリック」>「幅を設定」で、フォントの EM 値と同じ値にセットしてください。
ここから、感嘆符を3つ並べるわけですが、均等に並べるためには、感嘆符一つの幅を調べる必要があります。
まずは、元となる感嘆符 (半角もしくは全角の「!」) のグリフのパスをコピーします。
次に、グリフ一覧から、"U+E000" を検索して、移動します。
「定義済みのグリフのみ表示」が ON の状態だと、空のグリフは表示されないので、OFF にしてください。
CID フォントの場合は、先ほど説明した範囲の CID 値を検索するか、置き換える既存のグリフを検索してください。
CID フォントの場合は、先ほど説明した範囲の CID 値を検索するか、置き換える既存のグリフを検索してください。
すでにグリフが存在する場合は、他のグリフにするか、元のグリフを削除してください。
登録するグリフをダブルクリックして、アウトラインウィンドウを開きます。
そして、「貼り付け」で、感嘆符のパスを貼り付けます。
半角の感嘆符を貼り付けた場合は、横書きの送り幅が半角幅にセットされる場合があるため、先に、送り幅を全角幅にします。
「メトリック」>「幅を設定」で、フォントの EM 値と同じ値にセットしてください。
ここから、感嘆符を3つ並べるわけですが、均等に並べるためには、感嘆符一つの幅を調べる必要があります。
ものさしツール
ものさしツールを使うと、点などの2点間の距離や角度を測ることができます。
ツールからものさしのアイコンを選択して、感嘆符の幅にあたる2点間を左ドラッグしてください。
ドラッグ後、2点間の情報が表示されます。
(この情報は、どこかをクリックするまで表示されます)
上の図の場合、2点間の幅は "238" です。
ツールからものさしのアイコンを選択して、感嘆符の幅にあたる2点間を左ドラッグしてください。
ドラッグ後、2点間の情報が表示されます。
(この情報は、どこかをクリックするまで表示されます)
上の図の場合、2点間の幅は "238" です。
余白を計算
ここで、全角幅の中に感嘆符を3つ並べた時の余白を計算します。
(ここでは、EM の値を 2048、感嘆符の一つの幅を 238 とします)
感嘆符を3つ隙間なく並べた場合の余白は 1334 となりました。
左右の端と3つの間に均等に余白を付ける場合は、1334 ÷ 4 = 333.5 となります。
また、左右の余白を大きめに取る場合は、(1334 - (左右余白 x 2)) ÷ 2 という計算になります。
ここでは、均等に 333 の間隔を付けてみることにします。
(ここでは、EM の値を 2048、感嘆符の一つの幅を 238 とします)
余白 = EM(2048) - W(238) x 3 = 2048 - 714 = 1334
感嘆符を3つ隙間なく並べた場合の余白は 1334 となりました。
左右の端と3つの間に均等に余白を付ける場合は、1334 ÷ 4 = 333.5 となります。
また、左右の余白を大きめに取る場合は、(1334 - (左右余白 x 2)) ÷ 2 という計算になります。
ここでは、均等に 333 の間隔を付けてみることにします。
左端の感嘆符の移動
まずは、すでに貼り付けてある感嘆符の位置を、左端に移動します。
感嘆符のパス上で、一番左端にある点をクリックして選択し、ルーラーの上の情報を見てください。
この部分には、カーソルの位置と、現在選択されている点の位置と、その点からカーソルまでの距離が表示されます。
現在選択されている点の位置を見てください。
この場合、点の X 位置は 393 です。
この感嘆符を、余白を含めた左端に移動するためには、この X 位置が余白の値と同じになればいいので、
[ 333 - 393 = -60 ] で、パスを X 方向に -60 相対移動させればいいことになります。
左ドラッグで感嘆符全体を選択した状態で、「エレメント」>「変形」>「変形」で、X を -60 移動します。
左端の点の X 位置が 333 になっているのを確認してください。
感嘆符のパス上で、一番左端にある点をクリックして選択し、ルーラーの上の情報を見てください。
この部分には、カーソルの位置と、現在選択されている点の位置と、その点からカーソルまでの距離が表示されます。
現在選択されている点の位置を見てください。
この場合、点の X 位置は 393 です。
この感嘆符を、余白を含めた左端に移動するためには、この X 位置が余白の値と同じになればいいので、
[ 333 - 393 = -60 ] で、パスを X 方向に -60 相対移動させればいいことになります。
左ドラッグで感嘆符全体を選択した状態で、「エレメント」>「変形」>「変形」で、X を -60 移動します。
左端の点の X 位置が 333 になっているのを確認してください。
真ん中の感嘆符を貼り付け
次に、真ん中の感嘆符です。
左端にある感嘆符全体を左ドラッグで選択し、コピーします。
そして、貼り付けます。
貼り付けでは、コピー時のパスがそのままの位置で貼り付けられることになるため、左端の感嘆符の上に重なるように貼り付けられます。
このままでは操作がしにくいのですが、今回は貼り付け後に相対移動するだけなので、その状態のまま「変形」を行い、X を [ 感嘆符の幅+余白 ] (今回は 238 + 333 = 571) 分、右に移動します。
左端にある感嘆符全体を左ドラッグで選択し、コピーします。
そして、貼り付けます。
貼り付けでは、コピー時のパスがそのままの位置で貼り付けられることになるため、左端の感嘆符の上に重なるように貼り付けられます。
このままでは操作がしにくいのですが、今回は貼り付け後に相対移動するだけなので、その状態のまま「変形」を行い、X を [ 感嘆符の幅+余白 ] (今回は 238 + 333 = 571) 分、右に移動します。
右端の感嘆符を貼り付け
同じように、真ん中の感嘆符を左ドラッグで選択し、コピー → 貼り付け → 変形 (X = 571) を行います。
これで、3つの感嘆符が均等に横に並びました。
これで、3つの感嘆符が均等に横に並びました。
(補足) レイヤを使う
コピー/貼り付けで同じパスを貼り付ける時、同じ位置に貼り付けられると移動などがしにくいという場合は、レイヤを使うと良いです。
デフォルトで、「ガイド」「背面」「前面」の3つのレイヤがあると思いますが、
「前面」は、通常のグリフのパスを置くレイヤです。
「背面」は、パスをトレースする場合など、補助的な目的で使うレイヤです。
※背面レイヤに描かれたものは、保存時に消えます。
背面上にパスがあっても、グリフのパスとしては扱われないので、間違えて背面レイヤ上にパスを置かないように気を付けてください。
貼り付けると重なるようなパスを、一時的に背面レイヤに貼り付けて、移動などを行った後、切り取って、前面レイヤに貼り付ける、といった使い方ができます。
レイヤ部分を右クリックすると、メニューが表示され、新規レイヤの作成や、前面/背面レイヤの切り替えなどが行えます。
デフォルトで、「ガイド」「背面」「前面」の3つのレイヤがあると思いますが、
「前面」は、通常のグリフのパスを置くレイヤです。
「背面」は、パスをトレースする場合など、補助的な目的で使うレイヤです。
※背面レイヤに描かれたものは、保存時に消えます。
背面上にパスがあっても、グリフのパスとしては扱われないので、間違えて背面レイヤ上にパスを置かないように気を付けてください。
貼り付けると重なるようなパスを、一時的に背面レイヤに貼り付けて、移動などを行った後、切り取って、前面レイヤに貼り付ける、といった使い方ができます。
レイヤ部分を右クリックすると、メニューが表示され、新規レイヤの作成や、前面/背面レイヤの切り替えなどが行えます。