Arch Linux について

Arch Linux について
Arch Linux は、Linux ディストリビューションの一つです。

他のディストリビューションでは、基本的に GUI 上でインストールが行われる場合が多いですが、Arch Linux の場合は、コマンドライン画面上で、自分でコマンドを打ち込んで、インストール作業を行うことになります。
(GUI でインストールを行う場合でも、中身は同じような処理が行われています)

そのため、他のディストリビューションと比べると、Linux の知識が必要になるため、難易度が高くなります。

ただしその分、見えないところで、余計な処理や、余計なパッケージのインストールが行われることはないので、カスタマイズ性と自由度が高く、軽量・コンパクトな環境を作ることが出来ます。

Arch Linux では、最低限のコマンドライン環境を動かすためのパッケージしか必要としないので、他に追加で必要な GUI 環境などは、自分でパッケージをインストールして、一から構築する必要があります。
メリット
  • 一度インストールしたら、基本的に、再インストールせずに、ずっと続けて使用することができます。
    (ただし、環境を刷新するためにも、数年に1回くらいは再インストールをすることをお勧めします)

  • Arch Linux は、他のディストリビューションのようなバージョンの概念がありません。
    インストール ISO には、インストール作業時に使うコマンド等のみが収録されており、これらが常に最新のものとなるよう、ISO ファイルは月に1回更新されます。
    最新のカーネルやコマンドを使ってインストール作業ができるので、比較的新しいパーツで構成されたパソコン上でも、動作しやすくなると思います。

  • 他のディストリビューションでは、デフォルトの GUI 環境やソフトなどが一緒にインストールされるため、場合によっては、必要がないものも多くインストールされます。
    Arch Linux では、自分が使うものだけを選んで、自分でインストールすることができるため、余計なパッケージがインストールされることはありません。

  • パッケージは、常にほぼ最新の状態で更新されるので、最新の Linux カーネルやソフトなどを使用することができます。

  • Arch Linux 専用のパッケージマネージャである pacman (CUI) では、パッケージのインストールに掛かる時間が他のディストリビューションと比べて圧倒的に速いので、アップデートが苦になりません。
    (ダウンロード速度による差は出ますが、ダウンロードしたパッケージをインストールする時の処理は、一瞬と言っていいほどの速さです)
    一度体験すると、他のディストリビューション (特に Ubuntu 系) には戻れません。

  • 公式の Wiki には、各ソフトについての情報や、設定方法などの記事が豊富にあります。
    日本語翻訳もされているので、困った時は Wiki を見れば大体解決できます。

  • 色々なことを自分で調べて作業することが多いため、コマンドラインでの操作や、Linux の知識などが自然と身に付きます。
デメリット
  • Linux を初めて使うような初心者や、Linux に慣れていない人には向きません。

  • インストールのコマンドライン画面上で手順を確認することは難しいので、インストール前の段階で、あらかじめ必要な手順を確認しておく必要があります。
    何度かやって慣れてくると、実際はそれほど難しくはありませんが、特に初めてのインストール時は時間がかかるでしょう。

  • デフォルトでインストールされるものが少ない分、追加で必要なものがある場合は、自分で調べて、インストールや設定などを行う必要があります。

  • アップデート時、パッケージに大幅な変更があった場合は、パッケージ名が変わったり、急にパッケージが廃止されたり、パッケージのインストール前後に手動で処理をしなければならない場合があります。
    それらの変更は基本的に公式のトップページでアナウンスされますが、公式サイトを見ないと気付かない場合もあるので、注意が必要です。
    (pacman でのインストール時にメッセージが出る場合もあります)

  • たまに、新しいコマンドツールが登場したことなどによって、インストール ISO に含まれるコマンドが変更されることがあります。
    これらは公式でアナウンスされないので、実際のインストール時になって、「あのコマンドがない!」となって困る場合があります。
    ※インストール ISO に関する変更は、基本的にアナウンスされませんので、注意してください。

  • Linux カーネルは、かなり頻繁に更新されます(早くて数日)。
    常に最新バージョンを使いたい場合には便利ですが、同じバージョンをなるべく長く使いたい場合には向きません。
    ただし、通常の linux パッケージの代わりに、長期サポート版の linux-lts など、他のカーネルを使うこともできます。

  • ネット接続が必須です。
    実際にインストールするパッケージは、すべてネットからダウンロードする必要があります。
総評
基本的に、Linux でのコマンド操作に慣れていない方には、絶対に向きません。

ある程度 Linux 環境に慣れていて、現在のディストリビューションでは満足しない場合や、もっと軽い環境にしたい、ソフトウェアは常に最新のバージョンで使いたい、余計なものをインストールしたくない、コマンドライン中心で処理をしたい、というような欲求が出てきた場合は、試してみてください。

私も最初は Ubuntu 系から初めて、いくつかディストリビューションを試してみましたが、軽量さや快適さでは圧倒的に Arch Linux が一番で、もう他のディストリビューションには戻れません。
特に、Ubuntu 系のインストールの遅さに辟易している人は、Arch Linux の爆速ぶりを体験してみてください。

ただし、Arch Linux のインストール作業は簡単ではありません。

とはいっても、何度かインストールして慣れると、それほど難しいとは思わなくなるので、興味がある方は、一度試してみてください。