Wine:端末の出力情報

端末に表示される情報
端末で wine コマンドを実行すると、大量に情報が出力される場合があります。

多くの場合は fixme の情報で、これは、Wine では実装されていない機能や、既知のバグを知らせる情報です。

ゲームを動かしている時にはあまり必要のない情報であり、また、出力が多いと動作の低下も招きます。
なので、問題なく動いている場合は、出力を制限したい時があります。

出力をリダイレクトで /dev/null に送る方法もありますが、Wine の出力情報を制御したい場合は、環境変数 WINEDEBUG で設定できます。
環境変数 WINEDEBUG
# WINEDEBUG
https://wiki.winehq.org/Wine_User%27s_Guide#WINEDEBUG.3Dchannels
# Debug log
https://wiki.winehq.org/Wine_Developer%27s_Guide/Debug_Logging
# Debug channel
https://wiki.winehq.org/Debug_Channels
設定方法
WINEDEBUG='[class][+|-]channel,...'

<class>
err重大なエラー
warn警告
fixmeWine で実装されていない機能や、既知のバグ
traceデバッグ用
なし(省略)上記すべて

<ON/OFF>
'+', '-' は、後続の channel を ON (+)、OFF (-) にします。
class が省略されていて、'+' の場合のみ、'+' を省略できます。

<channel>
channel は、情報のカテゴリです。
all ですべて。

デフォルトでは、err と fixme が ON になっています。

一時的に変更したい場合は、wine コマンドの前に設定して、"env WINEDEBUG=... wine ..." というようにします。
全体として変更したい場合は、~/.bashrc ファイルなどで、"export WINEDEBUG=..." を記述します。
fixme を無効にする
WINEDEBUG=fixme-all

fixme のクラスの all (すべて) の情報を、'-' で OFF にします。
この場合、err は表示されます。
すべて無効にする
WINEDEBUG=-all

クラスを省略すると、すべてが対象なので、すべてのクラスのすべてのチャンネル情報を、'-' で OFF にします。
端末に fps を表示する
WINEDEBUG=+fps

クラスが省略されている場合、'+' は省略できるので、"WINEDEBUG=fps" でも同じです。