インストールメディアを起動
インストール ISO の用意が出来たら、Arch Linux のインストール作業に入ります。
ただし、初めて Arch Linux をインストールする場合は、一度、VirtualBox などの仮想環境上でインストールしてみることを強くお勧めします。
また、ネットに繋がる環境が、インストール先のパソコン以外にない場合、万が一インストール途中でつまづくと、情報が得られなくなって大変なので、ライブ起動が行える他のディストリビューションのインストール CD/DVD を一つ作っておくと、何かあった時の保険になります。
ただし、初めて Arch Linux をインストールする場合は、一度、VirtualBox などの仮想環境上でインストールしてみることを強くお勧めします。
また、ネットに繋がる環境が、インストール先のパソコン以外にない場合、万が一インストール途中でつまづくと、情報が得られなくなって大変なので、ライブ起動が行える他のディストリビューションのインストール CD/DVD を一つ作っておくと、何かあった時の保険になります。
VirtualBox での起動方法
一度、仮想環境上でインストールを試したいという場合は、VirtualBox をお勧めします。
# VirtualBox - ArchWiki
まずは、VirtualBox を起動した後、仮想マシンを新規作成して、設定を行います。
基本的には、ほぼデフォルトで構いませんが、HDD 容量は 50 GB 以上にしておいたほうが良いです。
以下、新規作成後の設定方法です。
OFF の場合、古い BIOS モードとなります。
実際にインストールするパソコンが UEFI に対応していて、UEFI でインストールを試したい場合は、ON にしてください。
実行環境が BIOS か UEFI かによって、インストール時に、処理が異なる部分があるので、自分の環境に合わせて設定してください。
2011 年頃以前の古いパソコンでない限り、UEFI を使う場合がほとんどだと思います。
設定画面から、「ストレージ」 でセットしてください。
ISO ファイルをセットする場合は、「コントローラー:IDE」 か 「コントローラー:SATA」 を選択し、「ディスク+」 の左側のアイコンをクリック、「ディスクを選択」 で、Arch Linux の ISO ファイルを選択します。
# VirtualBox - ArchWiki
まずは、VirtualBox を起動した後、仮想マシンを新規作成して、設定を行います。
基本的には、ほぼデフォルトで構いませんが、HDD 容量は 50 GB 以上にしておいたほうが良いです。
以下、新規作成後の設定方法です。
EFI 有効化
「システム → マザーボード → 拡張機能: EFI を有効化 (一部の OS のみ)」 にチェックを入れると、UEFI モードで起動させることができます。OFF の場合、古い BIOS モードとなります。
実際にインストールするパソコンが UEFI に対応していて、UEFI でインストールを試したい場合は、ON にしてください。
実行環境が BIOS か UEFI かによって、インストール時に、処理が異なる部分があるので、自分の環境に合わせて設定してください。
2011 年頃以前の古いパソコンでない限り、UEFI を使う場合がほとんどだと思います。
ISO ファイルをセット
仮想環境上の光学ドライブに、Arch Linux の ISO ファイルをセットして、直接起動させます。設定画面から、「ストレージ」 でセットしてください。
- 設定で EFI を有効にした場合、「コントローラー:IDE」 の方にセットすると、最初の起動時に時間がかかります。
うちの環境では、SATA にセットすると、黒画面での待ち時間が 18 秒くらいで、IDE だと1分と少しかかりました。
この差は結構大きいので、セットするなら SATA の方が良いです。 - EFI を無効にしている場合は、SATA の方にセットすると、起動できません。IDE にセットしてください。
ISO ファイルをセットする場合は、「コントローラー:IDE」 か 「コントローラー:SATA」 を選択し、「ディスク+」 の左側のアイコンをクリック、「ディスクを選択」 で、Arch Linux の ISO ファイルを選択します。
実際のパソコン上での起動方法
インストールメディアをドライブにセット、または USB メモリを刺した状態で、パソコンを起動/再起動してください。
マザーボードによって、ブートメニューを表示させるためのキーは異なりますが、起動直後に F11 や F12 キーなどを押していると、ブートメニューが表示され、現在接続されているデバイスの一覧から、起動させるものを指定することができます。
起動時のロゴ画面に各キーの情報が表示されている場合もありますが、詳細は、各マザーボードの説明書などで確認してください。
UEFI が付いているものは、UEFI モードでブートされます。
UEFI が付いていないものは、古い BIOS モードでブートされます。
UEFI でインストールしたい場合は、UEFI が付いている方を選択してください。
基本的には、パソコンが UEFI に対応しているのであれば、UEFI でインストールしたほうが良いです。
マザーボードが UEFI に対応していない場合や、対応はしているが、あえて BIOS モードでインストールしたい場合のみ、UEFI が付いていない方を選択します。
(efibootmgr がインストールされていない場合は、別途パッケージをインストールしてください)
UEFI では、次回起動時にブートさせる対象を、一時的に記録することができます。
この設定後、次に起動した後は、情報が削除されます。
ブートメニュー
USB メモリの場合や、自動で CD/DVD が起動しない場合は、PC 起動直後にブートメニューを表示して、起動させるデバイスを選択する必要があります。マザーボードによって、ブートメニューを表示させるためのキーは異なりますが、起動直後に F11 や F12 キーなどを押していると、ブートメニューが表示され、現在接続されているデバイスの一覧から、起動させるものを指定することができます。
起動時のロゴ画面に各キーの情報が表示されている場合もありますが、詳細は、各マザーボードの説明書などで確認してください。
選択する項目
なお、ブートメニューの一覧に、同じデバイス名で、2つの項目が存在する場合があります。UEFI が付いているものは、UEFI モードでブートされます。
UEFI が付いていないものは、古い BIOS モードでブートされます。
UEFI でインストールしたい場合は、UEFI が付いている方を選択してください。
基本的には、パソコンが UEFI に対応しているのであれば、UEFI でインストールしたほうが良いです。
マザーボードが UEFI に対応していない場合や、対応はしているが、あえて BIOS モードでインストールしたい場合のみ、UEFI が付いていない方を選択します。
(UEFI) Linux 上でブートメディアを指定する場合
ブートメニューの起動方法がわからないという場合は、UEFI でインストールする場合に限り、efibootmgr コマンドを使って、Linux 上で次回起動時のブート先を指定することができます。(efibootmgr がインストールされていない場合は、別途パッケージをインストールしてください)
## ブートエントリの一覧を表示 $ efibootmgr ブートしたいメディアの BootXXXX の4桁の番号(16進数)をチェックします。 ## 次回起動時にブートするエントリをセット ## XXXX に、上でチェックした番号を指定。 # efibootmgr --bootnext XXXX ## 再起動 # systemctl reboot
UEFI では、次回起動時にブートさせる対象を、一時的に記録することができます。
この設定後、次に起動した後は、情報が削除されます。
インストールメディア起動後
インストールメディアの起動後は、メニューが表示されます。
一番上の項目を Enter キーで選択、または、何もせずに数秒待つと、Linux の起動処理が行われて、画面に経過が表示されるので、少し待ちます。
起動後は、メモリ上に、一時的に Linux が起動している状態となっています。
ここからしばらくは、この Linux 上で、インストール作業を行っていくことになります。
キーボードで入力ができる状態になったら、作業を開始していきます。
なお、インストールメディア内には、インストール作業に必要となるコマンドなど、一般的に使われる色々なコマンドラインツールが含まれているので、Arch Linux のインストールとして使う以外にも、OS が起動できなくなった時の修復用として使うことも出来ます。
一番上の項目を Enter キーで選択、または、何もせずに数秒待つと、Linux の起動処理が行われて、画面に経過が表示されるので、少し待ちます。
起動後は、メモリ上に、一時的に Linux が起動している状態となっています。
ここからしばらくは、この Linux 上で、インストール作業を行っていくことになります。
キーボードで入力ができる状態になったら、作業を開始していきます。
なお、インストールメディア内には、インストール作業に必要となるコマンドなど、一般的に使われる色々なコマンドラインツールが含まれているので、Arch Linux のインストールとして使う以外にも、OS が起動できなくなった時の修復用として使うことも出来ます。
インストールの流れ
以降は、コマンドライン上で、コマンドを入力したり、ファイルを編集したりしていく作業になります。
インストールの大まかな流れは、以下のようになります。
インストールの大まかな流れは、以下のようになります。
- インストール先の HDD/SSD を準備
- ネットからパッケージをダウンロード&インストールして、基本環境を構築
- インストール先に構築した Linux のシステムに入って、設定を行う
- 実際にインストールした Arch Linux を起動し、自分の環境を構築していく
TIPS
コマンドライン画面で操作を行う上で、覚えておくべきことを紹介しています。
例えば上記のように、入力するコマンドを説明する際に、左端に書かれている 「#」 は、実際のコマンドライン画面の左側に常に表示される 「root@archiso ~ #」 などの最後の # だと思ってください。
実際に入力する際は、上記の例であれば、"ls" のみ入力し、"#" を打つ必要はありません。
# は、ルート (管理者権限) でログインされていることを示し、
$ は、一般ユーザーであることを示します。
# は、管理者権限で実行しなければならないコマンドであるということを示しています。
入力するコマンドについて
# ls
例えば上記のように、入力するコマンドを説明する際に、左端に書かれている 「#」 は、実際のコマンドライン画面の左側に常に表示される 「root@archiso ~ #」 などの最後の # だと思ってください。
実際に入力する際は、上記の例であれば、"ls" のみ入力し、"#" を打つ必要はありません。
# は、ルート (管理者権限) でログインされていることを示し、
$ は、一般ユーザーであることを示します。
# は、管理者権限で実行しなければならないコマンドであるということを示しています。
ヘルプの表示
コマンドのヘルプを表示したい時は、基本的に「--help」オプションを付けて実行します。
ただし、表示されるのは英語です。
もしくは、man コマンドで、詳細なヘルプを表示できます。man の後に、コマンド名を指定します。
ただし、表示されるのは英語です。
もしくは、man コマンドで、詳細なヘルプを表示できます。man の後に、コマンド名を指定します。
## コマンドヘルプを表示 # ls --help ## ls コマンドのマニュアルを表示 # man ls
長いテキストを分割表示する
コマンドのヘルプを表示する際や、コマンドで何かの情報を表示する際、実際のコマンドライン画面上ではスクロールが行えないので、テキスト全体が見れない場合があります。
そういった場合は、コマンドの後に 「 | less」 か 「 | more」 を付けてください。
less, more コマンドは、標準入力で受け取ったテキストを、スクロール表示できるようにするコマンドです。
| は、左のコマンドで出力された内容を、右のコマンドに渡す役割があります。
less の場合、上下キーでスクロール、PageUp/Down でページ移動、q キーで終了します。
more の場合、スペースキーでページを進め、最後まで表示すると自動的に終了します。
そういった場合は、コマンドの後に 「 | less」 か 「 | more」 を付けてください。
(例) # ls --help | less # ls --help | more
less, more コマンドは、標準入力で受け取ったテキストを、スクロール表示できるようにするコマンドです。
| は、左のコマンドで出力された内容を、右のコマンドに渡す役割があります。
less の場合、上下キーでスクロール、PageUp/Down でページ移動、q キーで終了します。
more の場合、スペースキーでページを進め、最後まで表示すると自動的に終了します。
再起動について
途中で再起動したい場合は、reboot コマンドを実行してください。
※実際にインストールした Arch Linux 上では、別のコマンドを使いますが、インストール作業中の Linux 上では、このコマンドを使います。
インストール途中で再起動した場合、再びインストールメディアを起動した後、中断したところからインストール作業を続けることもできます。
ただし、起動後に再度行わなければならない作業や、実行しなければならないコマンドなどはあります。
どの作業で何を行っているかを明確に理解しておけば、再開時に何をするのが必要で、何が不要になるかは何となくわかります。
# reboot
※実際にインストールした Arch Linux 上では、別のコマンドを使いますが、インストール作業中の Linux 上では、このコマンドを使います。
インストール途中で再起動した場合、再びインストールメディアを起動した後、中断したところからインストール作業を続けることもできます。
ただし、起動後に再度行わなければならない作業や、実行しなければならないコマンドなどはあります。
どの作業で何を行っているかを明確に理解しておけば、再開時に何をするのが必要で、何が不要になるかは何となくわかります。
キーボードの配列をセット
インストール作業用の Linux が起動したら、まず最初に、キーボードの設定を行います。
現在起動している Linux 上では、キーボードの配列は「英語用 (US)」に設定されているので、日本語のキーボードを使っている場合は、日本語用の配列に設定しないと、記号など一部の文字が正しく入力できません。
日本語キーボード (JP106) として設定する場合は、以下のコマンドを実行します。
設定後、記号などが正しく入力できていれば、成功です。
この設定は、現在起動している Linux 上でのキーボード配列を設定するだけです。
インストールメディアの起動後は、毎回デフォルトの英語配列に設定されるため、起動直後は常にこのコマンドを実行する必要があります。
jp106 の場合は、"/usr/share/kbd/keymaps/i386/qwerty/jp106.map.gz" のファイルが使用されます。
なお、以下のコマンドで、すべてのファイルの一覧を表示できます。
上下キーでスクロール、q キーで終了します。
現在起動している Linux 上では、キーボードの配列は「英語用 (US)」に設定されているので、日本語のキーボードを使っている場合は、日本語用の配列に設定しないと、記号など一部の文字が正しく入力できません。
キーボードの各ボタンの割り当ては、各国の言語ごとに規定されていて、ハードウェアにおける番号 N のボタンが押された時、どのキーとして出力するかは、設定された配列情報によって決まります。
Linux に限らず、他の OS のインストールにおいても、キーボード配列は常にユーザーが選択する必要があるので、自分の使用しているキーボードに合わせて、手動で指定する必要があります。
Linux に限らず、他の OS のインストールにおいても、キーボード配列は常にユーザーが選択する必要があるので、自分の使用しているキーボードに合わせて、手動で指定する必要があります。
日本語キーボード (JP106) として設定する場合は、以下のコマンドを実行します。
# loadkeys jp106
設定後、記号などが正しく入力できていれば、成功です。
この設定は、現在起動している Linux 上でのキーボード配列を設定するだけです。
インストールメディアの起動後は、毎回デフォルトの英語配列に設定されるため、起動直後は常にこのコマンドを実行する必要があります。
他の配列を探す
他のキーボード配列を使いたい場合は、"/usr/share/kbd/keymaps" ディレクトリ以下に、各配列の設定ファイルがあるので、そこから必要なものを探して、ディレクトリパスを除いたファイル名を指定します (拡張子は省略可)。jp106 の場合は、"/usr/share/kbd/keymaps/i386/qwerty/jp106.map.gz" のファイルが使用されます。
なお、以下のコマンドで、すべてのファイルの一覧を表示できます。
# ls -R /usr/share/kbd/keymaps | less
上下キーでスクロール、q キーで終了します。
UEFI モードで起動しているか確認
UEFI モードでインストールしたい場合、ちゃんと UEFI モードで起動しているかどうかを確かめたい場合は、以下のコマンドを実行します。
UEFI モードの場合は、ファイルがいくつか表示されます。
BIOS モードの場合は、上記のディレクトリ自体が存在しません。
# ls /sys/firmware/efi/efivars
UEFI モードの場合は、ファイルがいくつか表示されます。
BIOS モードの場合は、上記のディレクトリ自体が存在しません。
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